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泉美木蘭
2017.12.14 08:00

朝日新聞の報道=「粛清」と例えるネトウヨ妄想観

自民党本部が大量購入・配布中のインチキ本検証シリーズ、つづき。 

◆朝日新聞の報道=「粛清」!?
昭恵夫人が、問題の土地の前で籠池夫妻と仲良く笑顔で並ぶ写真、
森友学園の幼稚園で、軍歌を歌い教育勅語を唱和する姿に感涙する
映像などがメディアで取り上げられたが、「首相夫妻の人権」に
優しく寄り添う小川榮太郎氏は、こう綴る。

恐ろしいのは、追及する朝日の側も昭恵の便宜供与などあり得るはずがないと知りながら、政治家本人ではなくその家族を人民裁判にかけ続けたことだった。
全体主義国家で連帯責任を問う恐怖政治の手法に酷似するからだ。
社会主義国や軍国独裁国家では、政治犯が裁かれる時、同時に、身内縁者友人も粛清される。安倍という一人の政治家を叩くために、森友学園問題では妻の昭恵が集中砲火を浴び続け、加計学園問題では、安倍の友人である加計孝太郎の事業に多大の損害が加えられた。
 

小川氏、朝日新聞こわがりすぎ。

「昭恵の便宜供与などあり得るはずがないと知りながら」などと決め
つける部分からしてまずおかしいのだが、
朝日新聞を「社会主義国」「軍国独裁国家」「恐怖政治」と例え、
一連の報道を「人民裁判」「粛清」と結び付けペンを走らせる様子は、
ほとんど病的な誇大妄想をうかがわせる。

粛清? その例えは一番おかしい。
昭恵は関与している可能性があるのに、弁明させずに隠して耐えさせ
たのは安倍政権のほうだ。
そもそも、
メディアも国民も、安倍夫妻に対して、
「おまえたちは黙って耐えろ!」「なにも発言するな、消すぞ!」
と思いながら責め立てたわけではない。

逆、逆。
むしろ、「この件について話して欲しい」「この疑問に答えて欲しい」
と弁明の機会をかなり長時間作って質問をしてきた。ちゃんと議会で。

全体主義で連帯責任を問う、恐怖政治の手法に酷似したやり方をとって
いるのは、安倍政権のほうである。


官僚らに無理筋の屁理屈をこねまわさせ、あきらかに国民から白い目で
見られているのに、悠然と栄転の待遇を与える。最高権力者のために、
あからさまな嘘をつける人間に褒美を与え、そうでない人間は証人喚問
してブタ箱行きなのだから。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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